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[コメント] グレースと公爵(2001/仏)

革命期のフランスの世相を描いた映画としてみた場合、歴史の授業でこの映画を見ても充分参考になるぐらい非常に細かいところまで描かれているが、人間ドラマとしてみた場合は登場人物の描き方にあまり魅力が感じられない。
わっこ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







革命期のフランスに翻弄された女性の映画。

物語としてみた場合、登場人物の描き方にあまり人間味がなく、感情移入させるものがない。主人公グレースがいくら政治好きとは言え、訪ねてきた恋人オルレアンに対し終始政治の話ばかりで、表面的には愛していると言っているが、あまり愛情が感じられない。

ただ、当時の世相を描いた映画としてみた場合、貴族婦人の首を掲げて、貴族への敵対心をむき出しにして行進市民たちの様子や、盛んにグレースの家の捜索を繰り返し、叛乱分子だとする材料を見つけて投獄しようと企む革命派の強引なやり方など、非常に細かい部分までよく描けている。

歴史の授業などでこの映画を見ても、十分参考になるレベル。

グレース他オルレアン公爵などの登場人物の過去の経緯や人間的な魅力があれば、物語にもテンポが出たと思うのだが、どうにも表層的に描きすぎた感じ。

背景が絵と合成なのは今時珍しい。

(評価:★3)

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