[コメント] アイリス(2001/英=米)
若き日のアイリスを演じたケイト・ウィンスレットの生き生きとした美しさは感動的。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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アルツハイマーにかかった妻と介護する夫の夫婦愛を描いた映画。
平凡な自分とは裏腹に知的で颯爽としていた妻が突然、アルツハイマーにかかり、自分よりもどんどん衰えていく様子を目のあたりにして、愛情と絶望との間で苦悩する夫の姿が過去の思い出を挟みながら、淡々と描かれていく。
この映画のポイントは、作家として自立し、ある種、夫を従えて生きてきた妻とそうした妻を見守る生き方をしてきた夫が、妻のアルツハイマーをきっかけに立場が逆転し、生き方の転換を迫られるところにある。
アイリスに対する夫ジョンの怒りは、どんなに自分が愛情を持って看護に当たってもアイリスの病状がどんどん悪化していくことへのやるせなさにも思える。ただ、この映画では老人介護の部分の描き方が『折り梅』のような作品に比べると甘めなため、ジョンが何度も何も理解できないアイリスに癇癪を起こすシーンがあるが、その気持ちが観客側に強く伝わってこない。もう少し汚い部分を出してでも、ジョンのアイリスへの介護の大変さを描いて欲しかった。
それと、現在と過去のシーンが交互に展開されるのだが、現在と過去のシーンに関連性が感じられないのも気になった。
俳優陣の演技はみな素晴らしかったが、中でも若き日のアイリスを演じたケイト・ウィンスレットの生き生きとした美しさは感動的。
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