息子を誘拐した連続殺人犯を追うFBI捜査官のサスペンス映画｡

よくある誘拐サスペンス的な映画だが､この手の映画にしては珍しく見る側が初めから犯人が分かるようになっていて､ヒッチハイクで拾った青年との掛け合いを描いた犯人側と犯人の捜索をするFBI捜査官側の２つの視点で話で進む｡下手に謎解き要素を配置するよりもこれはこれでいい｡

シーンとしては前半の立て籠もり犯とFBI捜査官フランクの交渉シーンが非常にかっこいい｡デニス･クエイドも役に見事にはまっている｡ボブ役ダニー･クローバーの怪演は上手いがちょっと印象が弱い｡元医師の青年ボブ役ジャレッド･レトの方が印象的だったぐらい｡

ストーリー的には､初めから犯人の存在が明らかになっているので､謎解き要素を入れられてもあまり盛り上がらない｡しかし､犯人と青年との掛け合いが緊張感があり､いつばれるかも知れない中での２人の会話は非常に重みがある｡ただ､FBI捜査官のフランクの追走劇が映画の中では二次的で思ったほど出番が少なかったのは不満｡

それと､前半の子供誘拐シーンが結局フランクの息子とは関係ないのもテンポを悪くしている｡犯人設定に懲りすぎたため､追跡アクションとしては拍子抜けな印象｡