誘拐サスペンス映画｡

三つの場所に三人の犯人がそれぞれ家族の一人を監禁し､家族の不安心理を利用して金を手に入れるという誘拐計画だが､本当に完璧な犯罪なのかという点では疑問符がつく｡確かに身代金の入手に関しては確実かも知れないが､三人の犯人とも露骨に被害者に顔をさらしたうえ､被害者を殺さずに４回も誘拐を成功させているのに､よく今まで警察に指名手配されなかったのか､不思議｡過去の４回の事件とも警察に通報されなかったというのなら､その理由も描いて欲しかったところ｡

また､この誘拐計画は､被害者の一人が反撃に出て犯人が捕まったり､身代金受け取り前に犯人が被害者を殺してしまった場合も不成立となるため､極めて効率が悪いように思う｡夫婦と従兄弟というメンバー構成にしても信頼関係の面ではいいが､一人でも逮捕されれば､芋蔓式に身元が割れそうだし､一人の被害者を脅迫という要素だけで特に縛りもせず一人で監視するというのも無茶な気がする｡

個人的にこの作品の誘拐計画にはどうしても納得がいかなかったので､そこで繰り広げられるストーリー展開を見せられても今ひとつのめり込めなかった｡