『シベリア超特急』の第３弾｡

今回は山下大将のエピソードとその事件の関係者である男性のエピソードを同時進行的描いている｡

過去の殺人が現代の殺人事件の伏線になるという展開はなかなか面白い｡監督しての水野晴郎の演出も過去２作に比べると大分進歩していて､普通に娯楽映画として通用するレベルになっている｡山下大将のエピソード自体はおざなり的な印象だが､それが後半になって現代の殺人事件の伏線としての機能を果たしているところはなかなか上手い｡どんでん返しも前作よりもスムーズでそつなくまとまっている｡

役者は前作に比べると質が下がったが､役者の演技自体は悪くない｡水野晴郎の英語の台詞回しも大分上手くなった｡登場キャラも個性は確立されていて､役者も個性に沿った演技をしているので存在感があった｡

この映画を楽しめるかどうかのポイントはシリーズを通して水野晴郎の監督振りを成長と取るかどうかで､変わってくると思う｡個人的には今回は水野晴郎の映画監督しての成長振りを十分堪能できる作品という感じで､なかなかいい作品だと思う｡