大人になったアリスの冒険を描いたファンタジー･アクション｡ルイス・キャロルの｢不思議の国のアリス｣をベースにしているが､ストーリーは後日談として構成されている｡

せっかく､大きくなったアリスが再び不思議の国にやってくるという面白そうな展開を作ったのに､やっていることが本来の｢不思議の国のアリス｣とあまり変わりないのが残念｡

アリスが不思議の国に１度は来たことがあるという部分も､結局､記憶なくしたまま終盤になってようやく思い出すパターンなのも典型的で､これなら早々記憶を取り戻して､アリスが不思議の国を変えてゆく展開を見たかったところ｡

それと､アリスと赤の女王とのバトルも､アリス側は白の女王やマッドハッターと味方が多いのに､赤の女王側はハートのジャックしか仲間がいない上に､赤の女王自身も特に戦うわけではないので､思いっきり敵側が劣勢の中でアリスが戦って勝っても盛り上がりがない｡

マッドハッター役のジョニー・デップの怪演は相変わらずインパクトはあるが､ここ数年の作品での演技のパターンがどの作品も似たような感じになってきているので､そろそろ奇異の衒ったキャラの演技パターンから脱却してもいいと思う｡