ロシアのスパイの容疑をかけられた女性ＣＩＡエージェントの逃亡アクション映画｡

前半､ソルトがＣＩＡの追っ手をかわしながら逃亡する展開は『追跡者』のような緊迫感と迫力があり悪くない｡

しかし､ソルトがロシア大統領を狙撃してからの展開は､結局､ソルトがロシアのスパイであることも確定してしまい､重要なキャラだと思っていた夫のマイクも前半であっさり殺されてしまい､ただ任務を遂行するソルトのスパイアクションで終わってしまった｡

最後のＣＩＡのソルトの上司ウィンターもロシア側のスパイだったという展開も意外性よりも､現実的にＣＩＡに２人も素性の知れないような人物を潜入させることが可能なのか疑わしいし､防諜部のウィリアムがソルトの素性を調べる時にウィンターの素性もばれないのも不自然に感じられた｡

映画としてはソルトの正体判明後は､ソルトが何をやりたいのかはっきりしないので､今一つ方向性の掴めない展開で面白味に欠けてしまった｡

どうせなら､序盤であれだけスパイの立場を超えてマイクを愛しているような様子や安否を気にかける展開を見せているのだから､マイクを守りながら任務を遂行するソルトの姿を描いてもよかったと思う｡