議員の暗殺計画に嵌められた元連邦捜査官の男の復讐アクション映画。『グラインドハウス』のフェイク予告編として製作された『マチェーテ』のスピンオフ作品。

個性的な登場人物、ロドリゲス作品恒例の奇抜な武器のアクション演出など、久々に純粋にロバート・ロドリゲスらしい作風のアクション映画を見れた気がする。

キャスティングも主人公のマチェーテにロドリゲス作品では常連ながら脇役の多い、ダニー・トレホをフェイク予告のまま起用したのも素晴らしい。また、トーレス役のスティーブン・セガールも本格的な悪役でのキャスティングは珍しく、終盤では主人公とマチェーテＶＳカタナのアクションを披露しているのも感動。最後の死に様も皮肉めいていて面白かった。

ただストーリー的には、議員の暗殺計画を利用した策略云々からの復讐劇よりも、奇襲してくる敵を倒しまくるマチェーテの活躍を見せる作品という感じで、テンポも良く、あまりカタルシス的な要素も無いため、辛辣な描写が多い割には、やや映像的に軽いのが残念。

とはいえ、ロバート・ロドリゲスの作品は、いつも適材適所で役者を上手くキャスティングしているので、キャラの個性を楽しむ映画と割り切れば非常に楽しめるのでおすすめ。