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[コメント] キック・アス(2010/英=米)

ヒットガールにお株を奪われすぎ。
わっこ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ヒーローに憧れ自警活動を始めるオタク青年のアクション映画。同名コミックの映画化。

映画としてみた場合、タイトルにもある主人公のキック・アス(デイヴ)の成長物語としての盛り上がりが薄い気がする。正直、ヒットガールにお株を奪われすぎ。

ヒットガールがキック・アスのサポートに徹した話なら、ただの凡人だったデイヴがヒーローとして活動するうちに、徐々に責任感や宿命を認識していくキック・アスにも多少感情移入できるのだが、この映画の場合、話の後半は完全に父親の復讐のために動くヒットガールがメインでキック・アスは蚊帳の外だし、キック・アスのヒーロー観も結局のところ、ヒーロー活動のしていく上で現実を見てしまい逃げ腰という印象で、ヒーロー活動をしていく中で人の死と直面し宿命を背負うというカタルシスみたいなものが感じられない。

ある意味、従来のヒーロー映画にはあまりない、人によるヒーローの価値観の差異を如実に描いた作品なのかもしれない。

しかし、仮にもヒーローアクションの体裁をとっているなら、例え弱者でも主人公がもう少し活躍を見せる作品にしてもよかった気がする。最後のアクションは活躍の配分のバランスが悪すぎる。同系統の作品なら、日本のアニメの方が弱者の主人公の成長過程の描き方や活躍のバランスが上手い気もする。

ヒットガール役のクロエ・グレース・モレッツのアクションには頑張りが感じられ、素直にかっこよさは感じるのだが、子役の本格的なアクション参入という点に置いては、既に『小さな目撃者』を見てしまっているので、フランチェスカ・ブラウンの時と比べると衝撃度はかなり薄く感じる。

(評価:★3)

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