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[コメント] トータル・リコール(2012/米)

90年版のようなアクの強さはなくなったが、その分、話が分かりやすくなり、アクションにもかなり力を入れているため、純粋にアクション映画としてみればなかなか楽しめる。
わっこ

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フィリップ・K・ディック原作の「追憶売ります」を映画化した90年製作の『トータル・リコール』のリメイク。

主人公がトータル・リコール社に行くきっかけやリコール社の記憶書き換えの用途が異なっていたり、キャラのポジションの変更、コロニーの住民も90年版は奇形の住民の割合が多かったものが普通の人間に置き換えられている。舞台も地球と火星を股にかけていたが、リメイク版は地球圏内に留まっている。

監督の個性が色濃く出て、シュワルツェネッガーのアクションに頼るところも多かった90年版よりも主人公の逃走劇を重視した作りで、90年版よりも展開がスッキリした印象で話がより分かりやすくなった気がする。アクションも近未来世界の舞台を生かした展開が増え、特撮の向上もあり、なかなか迫力がある。

世界観は『ブレードランナー』や『マイノリティ・リポート』などの他のSF作品のイメージを合わせた感じで、意図的なのかもしれないが、独自性が強かった90年版と比べるとインパクトは弱い。

キャラとしては主人公のコリン・ファレルは等身大な強さが感じられ、シュワルツェネッガーよりもキャラに説得力があり感情移入しやすい。危機を脱するのに他人の力を要していたのもリアリティがあって良かった。また、敵側のローリー役ケイト・ベッキンセールの主人公を殺そうとする執念の追跡と格闘ぶりが堂に入っていて素晴らしい。終盤で爆発から辛くも生き残るのも納得してしまった。方や敵の親玉のコーヘイゲンは地味な印象。90年版のマイケル・アイアンサイドのようなアクの強い敵がいなかったのも残念なところ。

90年版のようなアクの強さはなくなったが、その分、話が分かりやすくなり、アクションにもかなり力を入れているため、純粋にアクション映画としてみればなかなか楽しめる。

(評価:★4)

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