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[コメント] 映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館(2013/日)

今回は冒険活劇より謎解きとしての面白味を重視した造りで、今までのドラえもんシリーズからすると、とても異色な作品となった気がする。
わっこ

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映画を見終った人むけのレビューです。

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「ドラえもん」新シリーズの劇場版8作目。

今回は鈴を盗まれたドラえもんがひみつ道具の“シャーロック・ホームズセット”で手がかりがひみつ道具ミュージアムにあることを突き止め、鈴やミュージアムのひみつ道具を盗む怪盗DXから鈴を奪還しようとする展開。

色々と張られた伏線を回収しながら、怪盗事件の真相が明かされていくストーリー構成は見事。さらにひみつ道具の博物館を舞台にしているだけに、タイトルに偽りなく様々なひみつ道具が登場し、事件の解決やドラえもんたちを追い詰める伏線として大活躍しているのも素晴らしい。

今回は冒険活劇より謎解きとしての面白味を重視した造りで、今までのドラえもんシリーズからすると、とても異色な作品となった気がする。終盤で稼働したガードロボに対して、クルトの開発したひみつ道具で怪盗に変身したドラえもんが単独で活躍したり、怪盗事件の黒幕のペプラー博士が悪役に徹せず自分の起こした事件の収拾を着けるためにドラえもんたちのサポートをするのも劇場版ドラえもんシリーズではかなり珍しい展開だと思う。

ただ、その反面、ペプラー博士も設定的にはそれほど悪人というわけでもなく、怪盗事件に関して怪しい行動を取っていた館長も結局ミスリードに終わり、明確な悪役が登場しなかったのは難点。またペプラー博士の孫娘のジンジャーも、もっと事件に対して重要な役割があってもよかった気がする。

とは言え、毎回、ストーリーの着眼点やアプローチの方法で一線を画した作品を作っていることには関心してしまう。監督の寺本幸代と脚本の清水東は今のドラえもんシリーズとの相性が良いと思う。

(評価:★4)

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