仲間を裏切り宝石を１人で持ち逃げした女の運命を描いたサスペンス映画｡雰囲気的には同監督の『スネーク･アイズ』に近い｡

最近の映画には珍しい予知夢オチの作品だが､最初は人殺しは嫌う女性だったのに自分とそっくりの女の自殺を止めずに成り代わってしまって以後､性格が自分を守るためなら何でもやる性格に豹変するのでおかしな気はしていたが､あの自殺のシーンが彼女の中で自分の信念を曲げて生きるかどうかの選択だったと思うと､夢オチでも納得できた｡

それにしても､主人公､ロール役のレベッカの次から次への男を貶める悪女ぶりは徹底していてなかなか恐かった｡そして､その分､レベッカの最後のかわいいヒロインぶりで何かホッとさせられ､デ･パルマ監督の演出の術中に見事に嵌められた気がした｡

坂本龍一の豪華絢爛ぶりを感じさせるＢＧＭもよい｡