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[コメント] カノン(1998/仏)

思考なのかつぶやきなのか。
セネダ

おじさんのはつぶやきに近いかもしれない。こういう作品をみると、人と交わされない(交わさない)内言的言葉は、交わされる言葉よりもはるかに上回る、ということを再認識させられる。いえ、当たり前のことなんですがね。

ベルリン・天使の詩』のシーンも思い浮かべたり。世の中、この瞬間でさえも、「見えない」言葉が生成され消滅していく。それは人の数だけ存在し、人によって内容も密度も異なる。結局、不可視なんですけど、言葉が漂っているということを想像してみると凄くおもしろいですよ。単なる思考もつぶやきも交わされる言葉も携帯のメイルやら手紙やらなにもかも、いろいろな仕方で言葉が生成され消滅して行く。エントロピー。言葉が物体ではないのが救いですね(再度、当たり前なんですけど)。

(評価:★4)

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