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[コメント] 深呼吸の必要(2004/日)

サトウキビ畑という学校で汗を流す5人の生徒たち。先生役は田所が務める。(おじいはさしずめ校長か?)[シネ・リーブル池袋2]
Yasu

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







島にやってきて時間が経ち、仕事にも環境にも慣れた5人は、刈り入れに一心不乱になっていく。残り日数が少なくなり、工場への納入期限に間に合わないかも知れない、と悲愴感すら漂う彼らをよそに、おじいは「なんくるないさぁー」と泰然自若。

そりゃそうだ、今年の収穫が上手くいかなくても、おじいにはまた来年がある。しかし次のない5人にとっては、これは一発勝負なのだ(また翌年春にも来るなら別だが)。

その対比は、卑近な例でなんだが、まるで学園祭の準備に没頭する高校生たちと、それを温かく見守る教師のようだ、と感じた。最初は何の関わりもなかった若者たちが、縁あってこの“学校”に集まり、共同作業で関係を深めていく。関係が深まれば、仲が悪かった同士も近づくようになるし、口をきかなかった者も心を開くのである。

そして、学校生活というのは誰にでも経験があるところのものである。そんなところが、なんとなく懐かしい思い出を喚起して、共感できる物語を作り上げているのだろう。

サトウキビ畑の学校は、毎年生徒たちをひと回り大きくして送り出し、そしてまた新しい生徒たちを迎え入れていく。

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蛇足

田所は確かに偉そうだったな。初めてのことをやらせるんだから、最初くらいもっと親切丁寧に指導してやったっていいじゃないか、と思ったし(だいたい日給5,000円ということからして、東京もんには信じがたい条件だよ)。

(評価:★3)

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