[コメント] 天然コケッコー(2007/日)
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
田舎が舞台、主人公は中学生でのどかな雰囲気な話ではあるけれども、実はこの原作、漫画表現の技巧をつきつめたような作品で、連載のまるまる1話分、セリフ(吹き出し)がまったくないという回もあるくらいなのだ。それを映画化するというのだから、どうせ失敗するに決まっていると考え、正直なところまったく期待はしていなかった。観るだけは観てみるか、くらいの気分でいたものだ。
ところが実際に観て驚いた。原作のやり方に影響されることなく、山下敦弘監督はしっかり自分の演出をしており、監督の作品に独特なあの「間」がちゃんと感じられるではないか。果たして山下監督が意図していたかどうかは分からないが、結果的に、これは劣化したくらもちワールドではなく、独自に構築された山下ワールドになっているのだ。
原作ではそよと大沢君が高校に進んでからも話が続くのだが、映画では中学卒業までのところで切ったのも正解。大沢君役の岡田将生が個人的にちょっとイメージが違っていたので点数としては★3ではあるが、漫画が原作の作品としては久々に満足できるものであった。
天晴山下監督。次は『Kiss+πr²』なんかどうです?
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