[コメント] カルメン故郷に帰る(1951/日)
NHK「プロジェクトX」で取りあげてほしい [シブヤ・シネマ・ソサエティ]
カラーが当たり前になった現在、何気なく観れば、この作品ができた陰にどれだけの努力と苦労があったかに気づく人は少ないだろう。
国産フィルムが使われている本作は、確かに多少の色ムラはあるものの、技術的には大きな欠点は見られないと言っていいだろう。水彩画のような淡い画調だと聞いていたものの、自分で実際に観てみるとあまりそんなこともなく、(数年後の日本映画で広く使われることになる)アメリカのイーストマンカラーと比較しても、決してひけをとらないように見えた。
演出がどうのとか俳優の演技がこうのとか、また脚本やキャメラが何だのというのもいいが、この作品に関わった技術者に思いを馳せながら観るのも、この作品の味わいのひとつのような気がする。いずれにせよ、月並みな言い方をすれば、これは日本のフィルム技術者たちが総力を結集した作品であり、日本のカラーフィルム技術の、最初の成功と呼べる出来事であったはずである。その意味で、この作品が後世に残した意義は大きいと言える。
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