都合のよすぎるRPG的設定、誰一人感情移入できないステロタイプな登場人物、そして安っちい哲学的メッセージ。余計な描写を排した無機質な理系美意識バクハツの世界観とあいまって、ここまでガチガチに形式化・図式化してしまう徹底ぶりは、いっそ痛快ではある。

でもやっぱ演出っていうか、人物設定はベタすぎてわざとらしかったなあ。中途半端に演出するぐらいなら、いっそのこと無作為に選んだ人間を勝手にあの箱んなかにぶち込んで、隠しカメラとかでドキュメンタリ仕立てにしたほうが面白かったんじゃないか？　「じっけん　じっけん♪」とか歌いながら。「わぁーー、殺しあってるぅー♪」とか。いやそれは犯罪か。

もしくは、逆にベタベタっぷりを徹底させて、某番組みたいに思いっきりヤラセっぽく撮るのはどうだろう。数字の解読の困難にぶち当たって、出演者たちが途方に暮れる。と、そこでおもむろに「誰しも予想だにしなかった衝撃の事実が！」ってテロップがデーンと出て、あの知的障害者が一瞬で因数分解できる特殊頭脳の持ち主だったことが発覚するとか。殺し合ってる出演者たちを見て大和龍門が「お前らホームラン級のバカだな」って言うとか。よくわからん。