コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] GO(2001/日)

パンチ(ラ)が足りない。
crossage

ともかく言いたいことは山ほどある。見る者の落ち着きを奪う窪塚洋介の演技とか、やたらと説明的な台詞回しとか、エクスキューズだらけのナレーションとか、後半部のテンポの悪さとか、若者文化に迎合したつもりで微妙にはずしまくりなとことか、言いたいことは山ほどある。でも何より問題だと思ったのは、せっかく柴咲コウ演じるヒロインの性格を「パンツ丸見えでも気にしない」という設定にしてるのに、パンチラシーンがぜんぜん少ないことだ。ちょっとはあるが、ぜんぜん足りない。もっとサービスし、もっと見せるべきだ。それがアイドル映画ってもんだ。

もっと言うなら、こういう性格設定を、パンチラサービスをするための伏線としてよりも、ヒロインの「不思議ちゃん」ぶりを演出する道具として使うことに主眼を置いているっぽいところ、そういうこまっしゃくれた感覚に、この映画の敗因の全てが象徴されている。たとえば在日問題をあつかう手つきに見られる「あえて狙った軽さ」が、ともすれば重さからの「逃げ」にも見えかねないのも、それが結局アイドルのパンチラもロクに拝ませない程度の「軽さ」でしかなかったからだ。覚悟が足りない。エゲツなさが足りない。そして、パンチ(ラ)が足りない。「軽さ」にもある種の覚悟が必要なのだ。もっとパンチラを見せろ。出し惜しみするな。ハミ毛も辞さないぐらいのエゲツない覚悟を見せてみろ。俺はなにを一人で怒ってるんだ。

追記:地下鉄ダッシュは(ただの微笑ましいオマージュかも知れないとは言え)最高だったと思う。地下鉄レールというほかに全く逃げ場のない円筒型の一本道を、その円筒の直径いっぱい全く同じ大きさの地下鉄が追いかけてきて、ともかく四の五の言わず前へ向かって走り続けるしかないという決定的な空間の演出。ただ、それは本編においてもそのノリが持続されることをおおいに期待させるものだったが、本編では終始四の五の言いっぱなしだった。逃げ道用意されまくりだった。まあでもこのシーン自体は光ってたので★1コ追加。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (10 人)寒山拾得[*] FreeSize ろびんますく[*] ねこすけ[*] すわ トシ[*] 浅草12階の幽霊[*] 秦野さくら[*] kiona[*] movableinferno[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。