「誰が何と言おうと自分は好き」という映画が、きっと誰でもひとつくらいはある。５点の映画は数あれど、この１本だけは１０点でも１００点でも∞でもつけたいという、そんな映画。

それとおなじつもりで、私はこの映画にあえて４点をつける。これまで４点をつけてきた他の映画は結局のところ４／５だけど、それとはまったく違う４点だ。

老評論家たちの多くがこの映画をベストに推す理由が、「若いときに観て良かったから」というものだったとしたら悲しい。きっとそんな人もかなりいるだろう。でももしも、下のように言ってくれる人がひとりでもいたら、私はその評論家をいとおしく感じるし、歳を取ることはそれほど悪いことじゃないんだと思える。

「もっと好きな映画、それこそ∞点をつけたくなるような映画は、別にあった。しかしそれは結局、群集の中に消え去っていくギャランスだった」と。