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ジェリーさんのコメント: 更新順

★4この世界の片隅に(2016/日)緩徐楽章が第1楽章に置かれた交響曲のような作りで、前半の淡々としたテンポがしだいに急速調子になる加減が上手い。すずが被弾したシーンなどはアニメならではできない表現なので深く感心した。声高に「反戦」を連呼せず、気の利いたユーモアの挿入がそれをもっと効果的に伝えている。[投票(1)]
★1家の中の見知らぬもの(1942/仏)容疑者が子供たちばかりなのでスケール感に乏しい。昼行燈の裁き役も、ラストの迫力だけは及第点だが、前半しどころがなさすぎ。そもそも、ここまで警察=検察が間抜けなわけないのでストーリーも盛り上がらず。[投票]
★3ザ・スクエア 思いやりの聖域(2017/スウェーデン=独=仏=デンマーク)予測はずれの事態の連続に戸惑うのは主人公だけでなく、本作を観る我々も同様。可笑しくもあり怖くもある両義的状況は、他の映画では得られなかった新鮮な体験だったが、ここまで長尺にされると、鑑賞後の疲れがめっぽう溜まる。構図の素晴らしさは超A級。[投票(2)]
★2シャーロック・ホームズ(2009/米)グラフィックの感覚を感じる。スチール写真として見ると良い出来ということ。しかしこれが映画の面白さかといえば当然違う。手数ばかり費やす、まがい物の活劇だった。[投票(2)]
★3アウトロー(2012/米)どこを切ってもうま味たっぷり。ひたすらに堅実さを追求した良心作。古典的なヤマ場作りに唸る。トム・クルーズが知られ尽くしたスターであることで抜群の安定感が生まれる。デュバルの使い方も泣けた。[投票(1)]
★4罠(1939/仏)友人の失踪捜査に協力する気丈な踊り子(マリー・デア初見。美しい!)を主軸に、描写の行き届いた登場人物が数多く交錯し飽きさせない。ユーモアに満ちたシーンからサスペンスへと移る振幅の幅が広い。主役が大嫌いなシュヴァリエでなければ、もっと乗れた。[投票]
★4アリバイ(1937/仏)ノワールの無駄のない効率的な画面運びと、フランス御得意の下町恋愛ものが違和感なく合体。ライティングにより、人物像が実に分かりやすく浮かび上がる。お手本と言える出来栄え。シュトロハイムとジューヴェの揃う画面は実に重厚。[投票]
★2ラインの処女号(1953/仏)犯罪の中身が、日活アクション映画なみのちゃちさなので、空想が膨らみにくい。アクションにいたっては、封切当初から古色蒼然としていたのではあるまいか。持ち味のある役者がでているだけに残念。[投票]
★3聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017/英=アイルランド)エピソード間に解説的な因果を含ませず、自由な解釈を進んで受け入れる構造。この多義的なアイコンを巡って様々な解釈遊びが飛び交うことを期待する。私的には、米国エスタブリッシュメントに対する、下流白人からのルサンチマンの図象化と見た。体幹を腐らせた大国がいつか足萎えになる日をこの映画は暗示する。 [投票]
★2The Beguiled ビガイルド 欲望のめざめ(2017/米)家内と見に行ったら、家内は大絶賛。こちらはそうでもないと言うと「男にはこの味わかるまい」と上から目線でものをいわれる始末。なんでも家内の言うには⇒ [review][投票(3)]
★3ブロードウェイの子守唄(1951/米)ドリス・デイの踊りを初めて見ることができる。これは貴重だろう。ジーン・ネルソンという俳優も初見。残念ながらアステアのスタイルに似すぎている。ガラス戸を挟んでの二人のダンスはMGM作品に劣らないくらい素晴らしい出来。[投票]
★4ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男(2017/英)本作品は、リーダーと妻の物語であり、リーダーと秘書の物語として読むべきである。妻や秘書が画面に登場するときに、リーダーの悩みも迷いも映像に浮かび上がる。それにしても、登場人物の「顔」が良い映画である。英国制作映画の最大の美質というべきか。[投票(1)]
★3美人劇場(1947/米)制作プロセスの大きな欠陥ゆえか、首尾結構が整わない。それでも神々しいほど美しいシーンに満ちている。本来見世物芸としてのジーグフェルド・ショーに、楽屋裏ストーリーを流し込んだ解読不能の煮凝りであるとしても、この映画はゆるぎないがゆえに擁護したい。[投票]
★5春のソナタ(1990/仏)この作品を見ることは、言葉の美しい群舞を見ること。言葉たちが衝突や受容や譲歩や承認や拒否を繰り返しながら、人間関係にまつわる我々の貧しい想像力を軽々と重力圏の外まで連れて行ってくれる。脚本や演出の骨の太さには心底しびれる。[投票(2)]
★5タイムリミット25時(1946/米)都会生活のわびしさを香気豊かに描きこむ手練の見事さ。アイリッシュの墨痕を新鮮なままに映画に移植した。展開の効率性も申し分ない。しがない踊り子を見事に演じたスーザン・ヘイワードの健気さの魅力にぞっこんとなる。運転手役のポール・ルーカスの名演も記憶に残る。 [投票]
★415時17分、パリ行き(2018/米)原作者と映画との関係のありかたが一挙に革新された。ワンアンドオンリーの形だろう。実録をフィクション視してきた我々の眠った脳をがつんとぶったたく。美談の陰にある凡談を丹念に描きながら、このなんという温かさ。このあと原作者たちはどうなっていくのか、余韻は尽きない。[投票(3)]
★3署名ピクピュス(1943/仏)殺されるのは女性だが、ジャン・ティシエ扮する男を中心に据えた珍しいノワール。醜悪な動機の犯罪が抑制されたトーンで描かれる。大した理由もなく殺されてしまった被害者もいて、この苦さ、ほの暗さはとても素敵。[投票]
★3高い窓(1947/米)少しマーロウがにやけすぎている。ただマーロウものとして見なければ、テンポはいいし、黒みを帯びた美術も素晴らしいので、気持ちよく観られる。ナンシー・ギルドの女性造形は古典的なハリウッドスタイルで懐かしい。[投票]
★1空海―KU-KAI―美しき王妃の謎(2017/中国=日)さらば、わが愛 覇王別姫』が、別格別次元の屹立作ということがこの作品でもはっきりした。ルノワールや溝口の空間把握能力に加え、ヒッチコック張りの夢幻的キャメラ操作術を持っていながらもったいない。私には眼はよいが頭が悪い監督という位置づけが本作で確定。[投票]
★3血に笑う男(1937/米)殺人鬼の描かれ方は、『サイコ』や『羊たちの沈黙』を知る我々から見ると正直物足りない。とはいえ1937年に戦争後遺症としての快楽殺人者を登場させた先駆性はそれなりにある。ラストが弱いが、被害者を演じたアン・ハーディングの熱演なしにはこのラストの納得性はさらに低いものになったはず。[投票]