[コメント] プロヴァンスの贈りもの(2006/米)
意外にも、ダグラス・サークが活劇作家であると同じ意味合いでこの作品のリドリー・スコットも活劇作家であった。コンパクト・カーの運転、プールの注水、テニス・コートの試合、野外映画館のデートの動的な描写の巧みさを楽しめたのは眼福というもの。
決してロンドンとプロヴァンスとを二項対立的に描いているのではなく、違う軸として設定している点が大人だ。ただし、色調の落ち着かせ方をまるで変えてしまうことで、 陽光の違いまで痛いくらいにわからせる。なかでもアルバート・フィニーの登場する回想シーンの色の美しさには陶然とさせられた。空気が違う、と感じずにいられないのだ。
ほかのコメンテータもそこに触れておられたが、リドリー・スコットが肩ひじ張らずにロマンティックなドラマに着手した。リドリー帝国の領土拡大はどこまで進むのだろうか。彼はロバート・ワイズのようになるのだろうか。
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