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[コメント] 633爆撃隊(1964/英)

なんとしおらしい駄作! この脚本ならもっと尺は詰められたはずだし、距離感表現から主要人物の片付け方に至るまで納得のいくシーンなど何ひとつ見当たらないけれども、創作への健気な姿勢は伝わってくる。記憶にはのこる映画だ。
ジェリー

Kurozoさんのご指摘で知ったのが、本作が『スター・ウォーズ』の元ネタ(の一つ)ということ。確かにクライマックスで、主人公が爆弾をある1点にたたきこむところなどは似ている。同じ飛行機ものだから偶然に似てしまうところもあるかもしれないが、決して偶然とは思われないのが、兄と妹が登場し、兄の友人がこの妹と恋に落ちるという進行だ。エピソード4〜6の主要モチーフをジョージ・ルーカスはここからいただいた節がある。さらにメインテーマのフレーズも共通のブラス群のパターンがあり、印象が酷似している。ジョン・ウィリアムスもまたこの作品にインスパイアされたのだろう。

それにしても、このフックの義手を持つ飛行士は、ほぼ確実に『我等の生涯の最良の年』の一登場人物からの引用である。かくも映画は千変万化にめぐる。

間延びする演出は先ほど指摘したが、俳優がいずれもスケール不足。クリフ・ロバートソンゲーリー・クーパージョージ・チャキリスモンゴメリー・クリフト、妹役のマリア・ペルシージャネット・リーあたりでハリウッド資本で一世代前にやってくれていたら、もっと記憶に残る映画になっていたかもしれない。

(評価:★2)

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