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[コメント] 教授と美女(1941/米)

セルフ・リメイクよりも数段優れている。キャメラ直前にすえられた人物の遠い後ろに数名の人物が小さく収まるパンフォーカス画面を観ていると、ホークスの撮影監督の使い方の融通無碍なうまさに圧倒される。ここにおいてもホークス的一匹狼が何人も登場する。
ジェリー

個人主義者として行動する結果、大きなトラブルは起こるし、修復のためのエネルギーもかかるが物事は少しは進歩するという決着のつけかたはあいかわらず。進歩の仕方がキャプラほど大仰かつうそ臭くない点で良心的であるし、フォードほど運命論的傾向を持たない点で地上的であるし、ものごとが振り出しに戻る悪夢のような作品を描いてしまうヒッチコックと比べて現実的ではある。こうしたバランス感覚の、手にとって触れることができるような堅実感と、映像の中に繰り広げられるどたばた感の落差がホークスの映画の特徴である。前衛性と現実性の不思議なアマルガムというべきか。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)ぽんしゅう[*] 寒山拾得[*] Orpheus

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