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[コメント] ブリジット・ジョーンズの日記(2001/米)

女体を語る。→
ジェリー

リタ・ヘイワースでもローレン・バコールでもよいがとりあえずマレーネ・ディートリッヒを座標軸のセロ点にとり、プラス方向側の最遠点にマリリン・モンローやジェーン・ラッセルが、マイナス方向の最遠点にオードリー・ヘップバーンやミア・ファーローがいるというのが私の女体観。つまりスタイルを形成する曲線の凹凸のありかたというか、山谷の度合いにより、美しい女体は、ヘップバーンとモンローを結ぶ一本の直線のどこかに位置してしまうという見方である。

一見単純で分かりやすいのだが、こうした座標軸設定の前提には、座標のどの位置にいようとも、「細いウエスト」と「均整」は絶対的に要求されており、その意味では全女性を包含する座標とは言えず、排他的かつ専制的で、女性には男性の独善性のにおいがぷんぷんと鼻を突くであろう。その底には男性自身の肉体に対する男性の反省のなさまで透けて見える。

こうした、座標軸とは全く違う次元から登場したのがレニー・ゼルウィガーという肉体であった。ありのまま。そのまま。食べるだけ太った放埓さ。この座標軸のどこにも位置しないのにフレッシュで魅惑的でかわいい。男性の視線の制度にくみせずなおかつ男性をひきつける肉体。フェミニスティックな肉体という言い方もできようか。ある部分ルネサンス絵画への逆戻り的なアルカイックな魅力も備えている。

普通、この映画はどんなふうに見られるだろうか。婚期を逃しつつある女の子の寂しさや切なさやあせりや本音をストレートにかつかわいく表現したラブコメというあたりか。

申し訳ないがラブコメでもなんでもよい。そんなことはどーでもよい。モンローやヘップバーンという肉体の登場と同じくらい、この映画は私にとっては革命的なのだ。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (5 人)Orpheus IN4MATION[*] 映画っていいね[*] mal[*] よだか

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