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ジェリーさんの人気コメント: 更新順(1/59)

人気コメント投票者
★4暗殺の森(1970/伊=仏=独)画面の隅々に目を凝らすと、俳優の演技が生んだものとは異なる無数の時間が息づいている。目にしたことが現実のできごとのようにざわざわとして一筋縄ではない。教訓話とも思想とも無関係で不定形な世界が表現され、それ故に美しく、それ故にロベルト・ロッセリーニの正嫡なのだ。DSCH[投票(1)]
★4霧の旗(1965/日)新珠三千代川津祐介の絡む2次的展開の決着を最終盤で振り捨て、倍賞千恵子の捨て身の復讐劇一本に収斂させるドライブ感を堪能。噴火口ではなく海を選んだ主人公が実に周到。夜の静かな住宅街描写が本格ノワール感を醸し、音楽もクール。ロープブレーク, けにろん[投票(2)]
★4幸福の黄色いハンカチ(1977/日)ロードムービーながら、「元の場所に戻る」というモチーフが大きく含まれ寅さんにも似る。やってきて殴り込んで去っていく役柄を長くやってきた高倉健が逡巡の演技を見せ、出色の面白さ。内面のためらいをよそに馬鹿旅はのんびり続く。微笑みをもらった。けにろん[投票(1)]
★3日本の夜と霧(1960/日)当時、商業映画としてこのテーマは斬新だったろう。上位者の下位者に対する圧力と侮蔑、そこから生まれる集団的ハラスメント、方針の求心性と遠心性、構成員の日和見化と先鋭化・・・様々な組織内心理が精密に刻まれた稀有な作品。制作陣の心熱が伝わり、今なお脈打つ。ぽんしゅう[投票(1)]
★4デューン 砂の惑星PART2(2024/米)長丁場の中で見せ場を適切に配して求心力を最後まで維持し、ラストの昂揚を作ったマネージ能力はさすが。物静かな文化人類学者のようだった作風が、俗な既存イディオムをも呑み込む骨太の作風に変容した気がする。主人公の成熟に見合うかのようだ。例えば、 [review]シーチキン, DSCH[投票(2)]
★2スタンド・バイ・ミー(1986/米)いい映画じゃないかと思ってみていたら、ガキどもが突如大人顔負けのダイアログを語りはじめて一気にさめる。脚本は注意深く書いて欲しいモノリス砥石, peacefullife[投票(2)]
★3ゼロの焦点(1961/日)犯罪動機は、このチームの傑作『砂の器』に匹敵するほど切ない。しかし解決部で本作はもたつく。個人的には前半部が好き。能登の雪と荒れた海浜を背景にコート姿で心細く佇む久我美子の美しさに陶然となる。二時間ドラマのプロットの手本かもしれない。 ぽんしゅう[投票(1)]
★4仁義なき戦い 代理戦争(1973/日)この映画は観客のための丁寧な描写を叩き壊して成功した。突如の銃撃。突如の手打ち。突如の裏切。シーンと無関係な流行歌。新聞紙面とナレーションだけで描写されるプロット。スチル写真でしか出てこない神戸と広島の大ボスたち。最高だ。緑雨, けにろん[投票(2)]
★4モンキー・ビジネス(1952/米)ケイリー・グラントジンジャー・ロジャースにこれだけやられると、もう何も言えません。喝采。 マリリン・モンローはこの作品ですでに体だけは発育した馬鹿娘という本役を確立している。けにろん[投票(1)]
★5ガス燈(1944/米)古典時代のサスペンスの傑作。結末が分かっているのに見せてしまうドライブ力は今なお、圧倒的。何度も見てよーくお勉強させてもらった。 [review]kiona, ぽんしゅう, 緑雨, 煽尼采ほか9 名[投票(9)]
★4あした来る人(1955/日)メロドラマのようでいてサスペンスフルな展開にしびれる。日本調の湿った画質とは縁遠い、ハリウッド直系のイディオムを縦横に駆使した構図、カッティングが実に気持ち良い。 学習能力の高い俊才が監督したという印象を強く持たせる。けにろん[投票(1)]
★4アイアン・スカイ(2012/フィンランド=独=豪)参った。不謹慎を架空の絵にして見せることで、現実世界の不謹慎さを浮かび上がらせた。差別性が強く、あざけりも破壊的だが、真摯な絶望感を裏打ちにして知的な娯楽にしているので許容できる。視覚効果技術や美術設計は本格的で、どこかの本家筋以上である。DSCH, ぽんしゅう[投票(2)]
★4DUNE/デューン 砂の惑星(2021/米)地表全土を砂が覆うという架空空間を臨場感豊かに活写したことが、映画成功の土台。そこに救世主信仰や英雄成長譚の成分で装飾し、抑えた色調で物語を重厚にまとめ上げた。母と子が対等に危機を切り抜ける展開が、マッチョドラマからの脱出を予感させる。けにろん[投票(1)]
★4果しなき欲望(1958/日)喜劇だろうが、変形したブラック・ノワールにも見える。渡辺美佐子が、ファム・ファタールとして実に魅力的。5人の悪党は戦後復興日本の凄まじいエネルギーの体現とも言え、5人にああいう結末を与えたところに今村らしい皮肉が効く。ぽんしゅう[投票(1)]
★3仁義なき戦い 広島死闘編(1973/日)被写体すら見えない暗い画面の、なんと斬新なことだろう。整った起承転結の流れを破壊し、ドキュメンタリー文体の映像化に挑戦した深作欣二が冴えに冴える。ドラマは終わらない。北大路欣也の捨て犬のように悲しい目が鑑賞後も残像としてやけに残る。DSCH[投票(1)]
★2オルフェ(1950/仏)神話に材をとっている。現代世界と冥界とを鏡1枚でつなぐアイデアはよいにしても、結局冥界の住人にすべての責任を背負わせるご都合主義で人間愛を賛美されても鼻白むばかり。廃城のような冥界が美しく、ラストシーンのショットには眩暈さえ覚える。けにろん[投票(1)]
★1プロメテウス(2012/米)つじつま合わせになることは最初から分かっていたが、それでも失望。人間の「業」の描写が他の星系という舞台に移されただけ。人類とは異なる知性を描く想像力をちょっとでも見せてほしかった。けにろん[投票(1)]
★2緋牡丹博徒 鉄火場列伝(1969/日)肉弾となって悪党の腹にドスを突き立てる藤純子の体の動きが戦慄もの。女性のたおやかさを消し、男性の直線性とも異質なネコ科猛獣のしなやかさが出る。いっぽう、ストーリーが雑。やたら俳優が出るが脚本の操り人形に見える。ここに書ききれないことを次に⇒ [review]けにろん[投票(1)]
★4仁義なき戦い(1973/日)任侠から実録へと、不可逆の道を進んだ東映ヒストリーの里程標。鶴田、高倉、藤の映画に残存していた「父親」が綺麗に消え失せた。人の情けも消えた。よく見ると義理すら消え失せている。自分勝手と裏切こそが生存原理。生々しい戦後史ビジョン。緑雨, DSCH[投票(2)]
★1TENET テネット(2020/米)「心余りて言葉足らず」と在原業平は古今集序で評されたが、クリストファー・ノーランもあてはまる。彼の場合は、その「心」すら読みづらい。『インセプション』でやらかした同じ轍をまた踏んだ。オトコ気は買いたい。週一本, おーい粗茶, DSCH[投票(3)]