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[コメント] ゴジラ(1954/日)

災害慣れした人達による災害映像。「災害って経験無いんだけど 多分こんなもの?」というCG屋さんとは一線を画す出来も当然
torinoshield

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







よくNHKで昔の映画ニュース映像を流す。

大体1945年〜55年中心なのはそれ以前だとあまりにもアレな内容だからだと 思うのだがこれが実にニュース! 具体性の無い説明ついでに ! まで付けているから バカっぽく感じるだろうがこれから説明するから、まあまあ。

さてニュース映像って言うのは「遠くで起きている大きな事件」だと 思うんだな。つまり他人事なんですよ、簡単に言うと。 その反対が家族ニュース。カエルを拾った。夜お父さんの顔に 飛び乗って大騒ぎ、っていう事件。でも事件規模としたら何万光年も離れた星が 爆発した、ってニュースと個人レベルでは同規模なわけです。

つまりニュース映像ってのは(他人事である為の)程よい距離感を感じさせる何かと その事件の大きさを感じさせる何か、がうまくバランスが取れている必要が あるわけです。

そういう意味で昔のニュースってのはアナウンサーの無機質な声に公共性を感じ モノクロの映像が距離感(と時間)を表す。交響楽団がことの大きさを 音楽が表現するという絶妙なバランスだったのです。 俺にとってこの映画は良質の映画ニュースなんですね。 事件が東京で起きていても感覚としてそこは 遠くの地で起きた出来事であって決して近所の話ではない。

この映画は当時冒頭に流れていた映画ニュースの流れでそのまま すんなりと入っていけるほど質にギャップが無かったわけです。 当時映画館から見終わって出て行った客はなんとなく東京が大災害に 見舞われた記録映像を見せられた様な錯覚に襲われたのではないだろうか。

あと河内桃子さんですか、こういう可憐で不幸しょってる人大好きです。

(評価:★5)

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