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[コメント] 宇宙戦争(2005/米)

映画館を出て車で夜中の道路を走る。向かいから猛然とかっ飛ばしてくる車を見るとその先に何かが!?後ろから大型トラックにブオーっと鳴らされたらハンドル操作が蛇行運転になりそう。平気なのは大阪の人だけ?
torinoshield

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







あの光線で人が一人づつ殺されるシーンがあったじゃないですか。あれって最近の映画のパターンで言うとトライポッドの中心からパッと何かが出て皆バタバタ倒れていく、ってのが普通だと思うんだがそれは圧倒的な個に対して周りの一人一人がどうしようもなく弱い存在である事の演出として有効なわけです。これには欠点があって鑑賞する側が俯瞰の立場を取ってしまう事(カメラ位置は大抵高い位置にある)。そういった演出に対してかなり非効率なんだけど一人一人をレーザービームの様なもので焼き殺すのは次は自分かもしれない、という恐怖を呼び起こすわけだ(当然カメラ位置は人の目線)。

さて、ではこの演出はどこからインスピレーションを貰ったのか。元の作品にあったのかもしれないが俺はこのシーンをSFではないどこかで見た事があった。これは米軍の(湾岸戦争時だったと思うが)山の向こうの敵を上空暗視カメラ(衛星だったかも)で位置測定しピンポイントで弾丸を降らせるシーンとそっくり。塹壕から半笑いで出てくるイラク兵士が暗視カメラ上で無残にも影も形もなくなる所を見た記憶が蘇る。(当然だが投降してきたって狙った弾丸はそれ以前に発射されているのだね、山の向こうから)ハイテク対ローテクの戦いとしてはまさにそれ。ハイテクに勝つにはバリア内の胸元に飛び込んで自爆ぐらいしかないってのが中東のテロリストの心情がよく判る映画というのも貴重と言えば貴重なわけだが・・・。

あ、ちなみにネタバレレビューなので意味ないですが劇場で観る場合のコツ。とにかく前で観る。どうせ字幕はあろうがなかろうがって映画だし何よりも下からトライポッドを見上げるシーンはホントに首が痛くなるような見上げる感じになります。これは効きますよ。

個人的には意味不明なモノから逃げる、とにかく逃げるに絞った良作だと思う。更に家族愛やパニックになった人間の描写がなければ傑作だったと思う。だってね、人間、実はそんなに生に固執しないと思うのですよ実際は。息子が戦う為に死地に向かう。それで正しい。主人公がどこまでも戦わないのは娘の為だが途中はぐれて一気に戦うモードになる部分が欲しかったかも。でないと消化不良でね。

で、あくまで固執するのは子供抱えた母親だけだと思うのね。だから母親が子供の生存確認無視でボストンに向かうってのには甘さがあるのだ。最後はむしろ子供が生きてて自分の本能的矛盾に戸惑う母親、なんて演出があれば。

(評価:★4)

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