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[コメント] キング・コング(2005/ニュージーランド=米)

うちの向かいの小さい犬は俺を天敵と思って毎日吼えまくっているのだがあれが巨大になったらやばい。そう感じさせる要素を強調しないといかんと思う。
torinoshield

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







自分にとってのキングコング体験と言えばスペースインベーダーの大フィーバー後のドンキーコング(任天堂)が最初だろう。ドンキーが美女(後にピーチ姫)を連れて梯子を登り上から樽を落としてくる。それを後にマリオと呼ばれるこれまた超有名人が助けに駆け上がる。・・・思うにこの大ヒットゲーム、もし原作どおりならマリオが任天堂からいなかった事になるって凄いわ。DSのマリオカートはいったい何という名前に・・?

で、操作するのは自分(マリオ)だからドンキーコングがどういうつもりで美女を誘拐したのかは全然考えなかったしピーチ姫も「HELP!」だけだった。何より大事なのは死なない事で樽とジャンプでいっぱいいっぱいでドンキーやピーチ姫がどういう気持ちでなんて考える余裕ゼロですよ。でも当時これに100円入れてやるのはスリリングだった。

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このゲームに影響されたゲームクリエーターが最新技術を使ってPJみたくドンキーコング2005を作ったとしよう。もちろんありとあらゆるものが2Dからリアルな3Dに置き換えられピーチ姫の微妙に揺れるコングへの気持ち、そしてコングの表情や実はやさしい一面があるところまで再現・・・。ところが全てがパワーアップしたはずなのに操作する人の気持ちは死なない事、樽とジャンプを繰り返して(心優しいはずの)ドンキーから姫を救い出す事がやっぱり第一優先なはずなんだよ。

この映画は結局ここがポイントだ。ゲームと同じで最大の売り部分は既にオリジナルがMAX値を叩き出している。他を上げれば売り部分が相対的に下がるだけでコングと女優と脚本家の恋物語は結局最大の売りである凶暴性を大いに薄めてしまった。凶暴な奴が見せる一瞬の偏愛。このポイントを外したらマリオが100人ゲーム開始からいる緊張感ゼロ状態なわけだ。それってつまらんのよ。

そして細かい所でコングの気持ちが理路整然としすぎている。面白いから女優を突っついたら怒られてその怒りを女優でなくて物にぶつけるなんて高度すぎる。あのシーンで女優が途中で意味不明に圧殺される可能性(緊張感)が消えてしまった。言ってみればコングの知能指数が高すぎる故に先に起こりうる可能性を限定させてしまったのだ。

(評価:★3)

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