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[コメント] ただ、君を愛してる(2006/日)

里中静流と瀬川誠人、あーもうこの二人の名前を書いただけでぶわぁーと。
torinoshield

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







恋愛寫眞 Collage of our Life』のネタバレあり

映画タイトル名といい、玉木宏宮崎あおいという仮想恋人にしたい役者といい、大塚愛の曲がテーマ曲だったりして計算づくのターゲットを広告代理店が自信満々に提供しているようで正直非常にハードルが高い。俺は全く計算外な客なわけで。

で、結局なんでこんなの観に行ったのかというと『恋愛寫眞 Collage of our Life』の別バージョンという企画だそうじゃないですか。そうすると内容は黙っててもわかる。あーなってこうなるのだな。という前提が既にある。

しかも広末涼子宮崎あおいになるときたもんだ。さあて広末が消化し切れなかったキャラをあおいちゃんはどうするのか!?

ここが俺のポイントだった。つまり恋愛寫眞の時は広末は広末でしかなく、つまり作品の最後でどんな大どんでん返しが待っていようとも宮崎あおいは宮崎あおいでありまた次のテレビや映画に出るのだろう、という安心感、というか醒めた視点で椅子につく事になる。

ところがどうだろう。冒頭から出てきた里中静流はそれ以外の何者でもなくこの時点で上記の俺のポイントは無に帰した。第一相当うっとおしいキャラだしな。誰もいない横断歩道でワーと走る様は(今ならはっきり言って思い出し涙が出るが)ちょいこの子やりすぎ?って感じだしね。もうこの時点で宮崎あおいという女優を映画館で見ている(評価しているとか広末と比較している)、という状況を忘れているわけだよ。

結果として秘密の森でめがね取ってそれ以降のNYでの進化した彼女の方がよっぱど宮崎っぽいのだがもうこの時点では進化した里中静流にしか見えない。これが自分をこの物語に完全に入り込ませた要因だったし高得点に繋がっている理由だ。決してめがねを取ったらとんでも美少女だったからではなくあの服装とあのめがねとしゃべり方がいい。

こうなりゃ見え見えのNYでのどんでん返しだって「もしかしたら生きているかも」と思えるじゃないですか。先が見えているのに完全に裏切られる事を期待したなんてひさしぶりだったな。要は里中静流が好きになった、って事で瀬川誠人が写真展で流した(後悔の)涙の意味が全く他人事には思えずただただ涙だった。DVD買ったとして二度目は冒頭の湖のシーンですでに泣けるはずだ。そういう映画だと。ちなみに一番好きな写真は横断歩道で手を上げる静流、断トツ。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)ナム太郎[*] コマネチ トシ

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