コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] Little DJ 小さな恋の物語(2007/日)

撮ったフィルム全部突っ込んだのか?長いっすよ。
torinoshield

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







冒頭、広末から始まって小林DJと仕事を共にするまでの間に70年代を入れた構成はつまり広末パートを短く出来ない(何故なら話の主軸が現代の広末にあるはずだから)。

これは小説などで冒頭に出てきた主人公らしき人をすっかり忘れた頃、唐突に現代に戻ってくるから驚きと共に長編を読んできた感慨に浸れる手法だといえる。この為、こういった小説ではこれでもかと中盤で色々な迂回する逸話(同部屋の入院患者全員とか)を持ってくる。いくら迂回しても問題は無い。何故なら最後に冒頭部と上手く繋げるから、という作者の保険心がそうさせるのだ。

では実際のところ映画であれば2時間程度で冒頭の広末パートを忘れられるのかと言えばそんなことはなくむしろいつ広末に戻るんだ、というくらいだ(だから長く感じる)。短い時間である映画でこの様な手法をとるのであれば5年かけて三部作にでもして第一部冒頭の謎の人物が三部の最後で出てきて「何とここでか」と言わせるくらいにしないと難しい。

つまりこの映画冒頭部の広末から神木君が病院に入院するまでがざっくりいらんのだ。それによって神木君が不治の病に犯されているという事実も隠蔽出来る。むしろ観客はまさか死ぬとは思っていない展開でもいい。そうなるとどうなるか。お涙頂戴なシーンはその殆どがカットとなりDJで楽しい病院にしてデートもしたし彼女も出来て告白もしちゃった、あとは年下の男の子のレコードをかけるだけ、という展開になる。せいぜいネタバレにするなら病院抜け出して朝帰りして西田尚美母が福田麻由子ちゃんにそこまでせんでも、という超強力ビンタを食らわせたシーンで「何この演出?」と思わせるようにする程度でいい(鑑賞後に母親の気持ちが分ればいいだけの話)。

さあそしてここでいきなりラジオ局の広末(これも福田の大人バージョンだとは分らなくてOK)が登場。小林DJが「何十年ぶりにこの番組やる」というセリフであれからしばらく時間が経った事がわかり、神木君が死ぬ間際に書いた手紙を小林DJが読むことで事の顛末を観客は知る事になり、年下の男の子がかかった時点で福田→広末だと分るようにすれば何故広末がラジオ局で働いているのかも説明なしで理解できる。

そうなっていればここまでダラダラと長い上に回りくどい感動物語にならなかったはずだ。エロビデオでも序盤は服を着ていて段々と脱ぎ最後に絶頂を持ってくるのは鉄板である。

(評価:★2)

投票

このコメントを気に入った人達 (3 人)tkcrows[*] IN4MATION[*] 水那岐[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。