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[コメント] バード(1988/米)

偉人を見る世間の目線映画
torinoshield

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







偉人はもはや普通の人ではない。歩き方も違うしいつもストイック。一言一言もやけに重い。そういう人を超えた神に近い主人公はいつも孤独だ。彼を癒せるのはもはや麻薬しかなかった・・・(あらすじ?)

なんていう風に偉人(ミュージシャン)は見られる。これはあんま実生活を覗かれないからだと思う。みんなうんこもするしくだらない親父ギャグを言って周りを凍らせたりするのだ。ステージの派手派手しさや CDでの驚異的な演奏しか知らないのだからそれをその人の全てだと思ってしまうってのが偉人を見る世間の目線って意味ね。 (たまに矢沢永吉のようにしゃべると神々しさを増す特殊な人もいるが)

クリント・イーストウッドの主人公を見る視点はそういった神々しい人を崇めるようなスタンスで作られているのだ。監督がファンだったらなおさらそうなっちゃうだろう。

演奏にミュージシャン自身の人生を乗っけるのに成功した人だけが大成する法則がもしあるとしたら マイルス・デービスの音楽が好きな人は彼そのものが好きだ、とも言えるわけだ。

つまりこういう偉人伝をやる場合は「その人の演奏のノリ(つまり性格、人生)をそのまま映画化する事」が一番なのだな。例えばジミヘンの偉人伝やるとしたらあの演奏そのまんまのでたらめ派手派手映画を作ればいいのだ。

これじゃ演奏聞かないで映画を見たら「ストイックな現代音楽を作った作曲家の生涯」だってば。

(評価:★2)

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