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[コメント] 羊たちの沈黙(1991/米)

ジョディーは黙ってても頭良い様に見える。それを超えなくちゃならん、と自らにハンデを与えたのが吉となったとかさ。
torinoshield

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







犬で主人をなめまくっているのいる。あれは自分(犬)がこの状況は自分が中心であり相手は手下、と勝手に思っている場合に生じる。この場合第三者から見ても犬の方が勘違いをしているのは明白なんだけど当犬はまったく気がつかない。これをやっているのがチルトン先生(アンソニー・ヒールド)だ。彼は相手がどんな事を考えているのか全く解からないけど仕切っているつもりになっている「勘違いした犬」役だ。こういう人を出してきた辺りに「知恵合戦映画」という様相を呈している気がするのだ。

この映画は見ている人間の性別に関わり無くクラリスを自分に重ね合わせられるように作られている。チルトン先生の様な安直な人達に囲まれて生活していると対人関係を単純化して見てしまいがちだ。そんななめきった観客が「自分はもしかしてペットの犬並?」と思うに十分な神(=サタン)の子レクターが現れるのだ。 自分の深層心理をすらすらと解説されるほど怖いものはない。それがレクターにはある、そういう気にさせられる説得力があるのよ。

最初の牢屋の入り口からクラリスが順番に殺人犯を見ていくシーンは過去の映画であった 恐怖の演出方法の歴史を見せられているみたいだ。 一番スケールアップしたのが最後のレクターであるならその前までの受刑者の延長線上での 演出でも良かったはずだ。よだれ垂らしながら2m200kの巨漢が「げへへ、ううぇーはは」でモヒカンで鎖じゃらじゃらとか(それはさすがにない)、そういうインフレ演出ってんですか?北斗の拳ってんですか?

つまりはあそこでスッと直立不動ってのが既にこっちを圧倒しているのだよ。あのシーンでこの映画の価値と方針は決まったのだ、多分。

(評価:★4)

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