これはあれだな、一昔前のエロ本理論からの脱却だな

昔のエロ本というのは買いたくて買いたくてムラムラしてるのに恥ずかしくて買えない、という購買層の為に芸術的にしなくてはならなかった。「これは芸術なんだ、だから俺は買うんだ」って誰も気にしてないってという突っ込みはいらないとしてそういう自分に対する理由付けが必要だったわけだ。でないと周りの人達から何言われるかわかったもんではなかったし。

そしてこの映画。もうミリタリーマニアぶり遠慮なし。空母と戦闘機、戦車、武器などの撮影の仕方に非常にこだわりがある。兵器のかっこいいアングルを監督は知っている（これは押井守なんかにも言える）。その反面森の中とか人だけのシーンとかもう投げやり。

どうも戦争映画を撮る監督は［一昔前のエロ本理論］から脱却出来ない人が多いように思う。戦闘、殺戮シーンや武器、兵器を撮りたいだけなのに後付けで「この戦争に意味などない」みたいなセリフ、主人公が遠くを見ながら言うアレ。あ、お客の「これは芸術なんだ、だから俺は見るんだ」にプロが答えてるのか？

とりあえずこの映画にそういった「おまけ反戦セリフ」シーンは少ない。あるけど。やりたいことをやる。この姿勢は買える。