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[コメント] インソムニア(2002/米)

己の行動を正当化させる為の嘘や偽りが世の中に溢れているのは その人の器の大きさと組織システムのレベルによって決まる。 これは悪人に限った事ではないしアル・パチーノだけが悩む話でもないのだ。
torinoshield

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







映画上では彼は最後の最後まで悩んでそして真実を受け入れる。 かっこいいね、ドーマー(アル・パチーノ)と俺も思った…

が、ちょっと待て

現実にこういう人がいたらどうなんだろう? 大事な仕事を首になるから10代の少年が殺人犯で捕まるのを黙認するかどうかで悩んじゃうってか?これは天秤にかけて悩むこっちゃない。

映画上ではロビン・ウィリアムズ(嘘)とヒラリー・スワンク(真実)が彼の内面の葛藤を 表しているのだろうが誰であっても人は「悪魔と天使の囁き」を心の中で 繰り返し繰り返し戦わせ、多くの人はその誘惑に勝っているのだ。

事態が自分自身の失態により不利に動き出した時 あくまでも自分に非はない、と言い張ったり詭弁を呈するのは 人間として「覚悟*がない」だけなのではないか

* 時と場合によって非難される事態をいつでも容認 出来る覚悟があるかどうかという意味

まあ、そんな事を考えるとよくやったドーマー!なんて言えるわけもなく、それ以前に人間として大問題だろうっていうことに今さら気が付いた(まさにレビュー書き込み中)。

あの殺人の疑いをかけられた少年がこの真実を知ったら間違いなくもう一度ドーマーにF言葉連発だろう

● 危機管理の欠けている会社、硬直化した政党、某県警などこういった覚悟無し人間がアル・パチーノの様に眠れぬ夜を過ごしているとは思えないんだよなあ。ま、ばれてからは インソムニアしてるんでしょうけど(笑)

● ドーマーを見ていると原子力発電所での事故を隠蔽した職員を思い出す。彼も熱心な原子力擁護派だっただろうからこういう罠にはまった口だ。 こういうトラップは誰でもひっかかる可能性があるってこった

(評価:★3)

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