広末涼子・離婚記念にコメントを、というか記念て言っちゃ本人に怒られそうだが、まぁそこは正直に言わせてくれ。オレにとっちゃかなり前向きな事件だ。これを記念と言わずしてなんという。

さて、最近のヒロスエはその出演作（TVドラマ含む）の流れから言って、色んな方向性に手をつけまくっている感があるが、ある意味、暗中模索とも取れかねない役どころをチョコチョコとこなしているように思える。今回もそんな意味では基本的に「野良ネコ系ヒロスエ」という新しい役に挑戦という感じが強かった。なんといっても良かったのはヒロスエの馬ノリ罵倒。もしくは投げ飛ばされるヒロスエの後ろ姿。アレですよ。アレは良かった。すばらしかった。

とはいえ、もともとヒロスエは「犬」系の女性であり「捨てられたネコ」っぽさなんて微塵もない人なんだと思う。これにはおおよその人が異論ないだろう。そんな素材の影響なのか、この映画においては普段よく目にする「○○な女を演じる広末涼子」という存在枠から大きく外れて、珍しく「○○な女」という役をこなした広末涼子がいるという、ある意味、女優としては正しいというか、普通というか、要は「広末涼子」というオーラを隠し切った初めての映画だったと言えるだろう。まあ、果たして隠し切ったのか、それとも消えてしまったのか、そこは意見が分かれる所だろうが、この「広末涼子」さが無い映画（ドラマ含む）は広末涼子出演作では初めての経験であって新しい出来事なのは間違いない。これを進歩と取るか後退とみるかは個人の自由だ。「何をやっても広末涼子」という限界を超えたのは何でもいいから広末涼子の映画を見たいオレとしては大歓迎と言えるだろう。もしかしたら私生活で何かあったんじゃねーか？なーんてね。←後だし

もっとも、この映画自体はオレ的な好みで言えばイマイチ。「人生はなるようにしかなれへん」てのは実際、正しい。その通り。ただ、映画という擬似世界においては「映画はなるようにしかなれへん」な創り方をされてはたまったもんじゃない。話として何とかするのが映画というものだ。その意味においてはこの映画は実に話がなってない。忠実に破天荒な父親を再現させただけでは映画の主役にはなれないのだと思う。