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[コメント] 屋根の上のバイオリン弾き(1971/米)

久しぶりにこの映画のページを開いたら、コメントが増えていた。すごい嬉しい。それぐらい好きだったりする。
ピロちゃんきゅ〜

映画音楽としては人生最初に衝撃を受けた映画であり、世の中にミュージカルという、ものすごい文化があるのだと初めて教えられた映画でもある。映画にそんなに興味もなかった中学時代、自称映画通な友人に誘われて見に行ったんだが、彼よりも自分の方が感銘を受けていた。もっとも、その衝撃の最たる理由は音楽にあったのだけども。当時、自分はオーソドッグスなロック・ポップスしか知らなかったし、ちょうど楽器も(真剣に)始めたあたりで、「ロックが一番」と思っていた時期だっただけに、理解しうる範囲でいて理解できない音感。これが衝撃だった。あるいは、MTVも満足になかった時代だけに音楽に乗せた映像っていうものが衝撃だったのかもしれない。アレンジ的にいっても、未だに「トラディッション」は忘れられない。歌詞とトポルの歌声の表現、コーラスの表現、リズム、管楽器の使い方。全てに俺的満点である。ジョン・キューザックに「映画の入りの歌ベスト5を選べ」と言われたら、コレを推すであろう。映画の中では「Sunrise sunset」の方が有名だが、自分は力強くユダとしての伝統を守るこの歌声の方が好きだ。マネしろと言われても表現できない凄みがある。

あ、ストーリーも好きよ。とってつけで言ってるように感じるだろうが、これはこれで。楽しくもあり哀しくもあるユダ達がものすごくリアルで、それでいて、生きる目標みたいなものがあって。ある意味、これも自分が初めてユダという民族の哀しみに触れた瞬間だったんだな(←宗教的には影響受けなかったが)。その2重のショックが自分の歴史の中でいう「映画における衝撃度ナンバー1」の地位にある所以だろう。思えば、この映画の出会い以降、映画にハマッてもおかしくないのに…と今更ながら思うが、当時の自分に聞かないとでんでん判らない。きっと、この素晴らしい映画音楽を何とか自分のものにできないか?ぐらいだったんだろう。………ぜんぜん表現できませんでした(泣)。

それと、この映画で思い出すのは、高校に入ってしばらくして、映画好きな友人(彼は森田芳光にえらく傾倒していた。ペ、ペペロンさん?違うわな)と出合った時(といっても、映画つながりではなく、部活が一緒だった。)全く知らない映画達のネタを使ったギャグとか例え話とかをされていた中、ひょいとこの映画のネタが使われ、「おぉ、それ知ってるわ」と、まるで『GO』の窪塚くんが『燃えよドラゴン』で急に生き生きと話した時のように、いきなし2人でこの映画について話し合った記憶がある。その時の彼は「この映画を好きなヤツがいる!」という事でえらく感動したようだ。それを境に彼とはずいぶん近しくなった。逆に音楽面でも話をするようになったもんだ。しきりに『の・ようなもの』を見ろ!と言われたが、昨年になるまで見る事はなかった。今更ながら、スマン。『家族ゲーム』は良かったが『失楽園』でぶっ飛ばされたよ。その後、彼は某大学で映研に入って…、今はどうしてるんだろうか?AVの監督とかやってるかも?と、たまに思って借りたりするが(えへっ)現在見つかっていない。案外、まともな映画でデビューしてたりして…なんて検索したが…、フゥ〜。

そんな思い入れと思い出がある映画であった。1年前、このシネスケに初カキコの日に書き込んだ1本でもある。そして、1年ぶりにそのレビューを書き直す事にした。1年前は書き込みが少なくて、う〜んう〜んと唸ってたものだが、皆さんの評価が高そうで嬉しかった。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)かっきー[*] KADAGIO[*] アルシュ[*]

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