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[コメント] リトル・ダンサー(2000/英)

「ロンドン・コーリング」が始まると、やはり血わき肉踊る。あれが兄貴の精一杯のダンスだったという哀しい比喩なのか?では、オヤジは…?秘技”スト破り破り”が精一杯?
ピロちゃんきゅ〜

悪い映画ではなかった。でも3点という”並”という評価を下した理由。ただし、「ごちゃごちゃうるせーんだよ、いいものはいい!」と訴える人には無効。

その1 ・・・ オヤジについて……なんて物分りの良いオヤジ。信じられない。だってイギリス北東部のド田舎の炭鉱掘りのオヤジだぞ?「俺たちには未来が無い…」なんて泣くほど自分が見えてるか?とは思えんよ。兄貴もそうだが。でも、84年当時のあのストの事件は荒廃してゆくイングランドを象徴してて、何かこう胸にくるものがあるよね。日本でいったら高倉健が廃鉱になって哀しみをグッと堪えて一人息子の成長を見守るとか、そんなぐらいの物語なのかなぁ。ぐぐっと来ない。sawa38さんが言う事もわからんではないなぁ、とも思ったりして。とりあえず、ストーリー上そうせざるを得なかった感があるので、オヤジのガンコさぶりが中途半端だったのは残念だ(ちなみに自分のイメージする過去最高のガンコオヤジはNHK大河ドラマの「獅子の時代」の菅原文太のオヤジ(たぶん加藤 嘉)だと断言する。「許さ〜ん!」と何度、大事な所で聞いた事か…。ガンコオヤジはあれぐらい迷惑でなくては!)。が、500歩譲って、ここは目をつぶってあげよう。

その2 ・・・ 先生の娘は結局……何?「わたしのあそこ見たい?」って11歳のセリフかぁ?あの子の設定も半端なっつうか、不要な…。ダンスに引き寄せられるきっかけでもないし、ダンスを続ける為の存在でもないし、途中で消えちゃうし(最後すら出てこない)。彼女とモーホーの友達とがかぶったって事なんだろうか。家族愛と友情と恋愛と師弟愛と夢と挫折と…詰め過ぎっす。あと3つは減らそう。

その3 ・・・ ダンスについて……スキだから、踊る事が自然だと思うから、最後にステージに立った。と、受け止めればいいのだろうか。それが許されるなら、自分が今、ここでコメントを書いている1コメンテーターってのは悲しすぎるんですけど(泣)。現実はダンスが好きなイカレオヤジになって、工場で自宅待機を言い渡され、むしゃくしゃしている時に、息子が「オレはオーウェンになるんだ!」と。オヤジは「この、ばがっけー!」と拳を振り上げるが殴れず、息子はボール1個だけで出て行ってしまって、おじいちゃんが「男はフットボールじゃよ…」と。オヤジはウィスキー片手にクラブに行って80年代ダンスを踊り狂う。こんな所か?もっとも「夢と挫折と希望」をスマートに映画にするなら『モ’ベターブルース』あたりで勘弁したいところだ。…話がズレタ。話題をダンスに戻そう。この映画ではダンスがキーになっている割りにダンスシーンに目をみはるほどのものもなく、また『ロッキー』のような努力する感動も無い。いきなしタップが出来たり、バレエの基本が出来ていたりと、けっこうあっけない。ダンサーが評価すると辛口になりそうな映画…のような気がする(ワシは踊れんが)。

その4 ・・・ T.REX……80年代ストーリーであるにも関わらず、T.REXがメイン。クラッシュ・ジャムら時代を代表するブリティッシュサウンドが似合う中、T.REXだけが時代を越えた感じがしてならない。いっその事、主題歌にはカルチャークラブの「カーマカマカマカマカミ〜リ〜ヤ〜」だった方が好感が持てる(のはオレだけ?)。エンディングはフランキーゴーズテゥーハリウッドでずっこけるのも良かったかも。←これで2点になったらもっと悲惨か?

(評価:★3)

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