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[コメント] バーバー(2001/米)

コーエン兄弟によるフィルム・ノワール講座。あまりにも模範的なので面白味は少ない気もするけれど、アメリカン・ドリームの敗残者と、ありふれた日常生活を踏み外したことから転がり落ちる深淵を、端正に描いた手並みには感心。
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映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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語り手が実は獄中の死刑囚である、という構造は、ジェイムズ・M・ケインの『郵便配達夫はいつも二度ベルを鳴らす』(何度も映画化)や、ホレス・マッコイの『彼らは廃馬を撃つ』(映画版の邦題『ひとりぼっちの青春』)などのノワール/犯罪小説の古典を忠実に踏襲したものですね。

難をいえば、小説の手法を映画でなぞっているのは否めないので、「映像で語る」のが得意なコーエン兄弟らしからぬ、ナレーションの突出した映画になってしまった気もするけれど。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)わわ[*] グラント・リー・バッファロー[*] 町田[*] uyo[*]

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