[コメント] バリー・リンドン(1975/米)
現代風に言えば、「自分探し」と「しあわせ家族」願望のゆきつくところ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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「自分さがし」と称して、上昇志向にあふれる旅に出た青年がゆきつくところ、それは「ただの自分」。
「しあわせな家族」なんてものは、部外者の目でみるから「しあわせ」に見えるんであって、いつまでたっても隣の芝生。れんげ畑でどこに座ろうかと「あ、あそこにお花が密集している」と駆け寄っても、ちかくで見るとスカスカだ。「普通の人」が存在しないように、「普通にシアワセな家族」も実在しない。
噂のローソク光が美しすぎるぶん、背後にある、キューブリックの黒い思想が浮き立つ。足音も立てず、ぴったりと影のように寄り添う非情な絶望。悲しくて、恐ろしい。でも、共感。
そう、いまでは万人が平等である、と考えられている。
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