[コメント] EUREKA(2000/日)
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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この二人は、しっかり人物を生きていた。土建屋のにいちゃんもよかった。
「記号的な登場人物」とは、ある種のタイプキャストである。記号として存在すればよいため、役者は極端に<演技をしないこと>を要求される。彼らは首から「トラウマを背負った妹」「他人を拒絶する兄」「子どもと上手く接することが出来ない父」「目の前で犯人に人質を射殺された警官」といった札を下げ、指定時間に指定の場所で指定の行為を行なうヒトガタでいれば十分なのである。
情報が一瞬にして駆け巡り、世間のコンセンサスも大枠であっという間に方向付けがなされる現代の日本では、役者の演技こそが逆に足かせになるのかもしれない。と、もう一度考え直してみてそこに思い至った。
このため、この記号化こそがこの監督のねらいだったのかもしれず、そのために役者は半分近くが「失語症の能面演技」を通す必要があったのかもしれない。しかし、その「時代の空気」を共有していない者にとって、「常識的な大前提」は、あまりにも敷居が高く<記号的>であるために、こちらから好意的に入っていかないと、読み取りきれない、というフラストレーションを感じた。
ただし、ロードムービーとしてのテンポは心地よかった。
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