[コメント] その男、凶暴につき(1989/日)
「人を殺すのにためらいがない」人間よりも、「死ぬことにためらないがない」人間のほうが怖いんではないかと・・
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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人を殺すのにためらいがない(どころか死にたくない人間を突き落とすことに快楽を覚え楽しんでさえいるように見える)白竜は、とても恐ろしい人間として描かれている(顔も怖い)。しかし、その白竜が武が来るのを待っているシーンではどこか武を恐れているように見える。最後明らかに立場が逆転している。
それは白竜にとって、武がもはや死ぬことにためらいがない人間と思えたからではないか。(白竜は岸部の部下として岸部にある程度従属しているし、警察に捕まった時もおとなしくしていて、ある一定のルールは守っているようにも見え(たとえばホテルでの「恥ずかしくないのか」という言葉)それは彼が人を殺すのにためらいはないが、死ぬことにためらいがないわけではない、自分が死にたくはないということではないか)。しかし、武は死へのためらいがない。そしてそれは同僚を失ったとか、警察をクビになったとか、妹がレイプされたことが原因で生じたものではなく、もともと最初からなかったようにさえ思えた。
夜の街を歩くシーンや、ナイフで指を切られるシーン、ナイフをつかむシーンなど、印象深かった。
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