コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 陽だまりの庭で(1995/仏)

脚本のしっかり練られた、まるでイタリア映画のような味わいのフランス映画。
tredair

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







いくらワイシャツパジャマだの互い違いにずり落とされたハイソックスだのスクール水着だのといった素晴らしいサービスがあっても、フィリピーヌの表情が放つ少女特有の媚(これはもしかしたら同性ゆえの過剰反応なのかもしれないが)を、どうしても受け入れられない。

そんな「彼女」を受け入れられない限り主人公の老人に同調することはできず、かつ、その同調がいっさいできないとこのファンタジー世界に入り込むことさえできなくなってしまう。というのは、この映画における最大の長所で欠点だと思う。

この物語が必要としている少女は、あくまで「おかわりしてもいい?」と父に平然と甘えたり嬉々としてレジスタンスごっこにいそしんだり平気でパチンコ小石爆弾をぶっ放すような元気な少女でなければならないからだ。そうでなければ、彼女は物語をブラックに展開してゆくキーとしての役割を果たすことができない。

けれど、そういった<陽性キャラ>な少年少女が自然に放つことの多い<媚のようなもの>が、私はひどく苦手なのだ。*1 

「ナチ=極悪非道の悪」といった描き方がされていなかったところは新鮮で好感がもてたし、細かな伏線の数々がきっちり後で回収されていく様も見ていて実に小気味よかったのではあるが、個人的には<どうしてもついていけない>作品だった。

*1:

この子ども特有の色気と媚の違いについては実に微妙なのだが、いっけん受動的でおとなしめキャラな方が、どうも艶がまして媚が減少するような傾向にあると思っている。いわゆる<おしゃまさん>になればなるほど<媚指数>がアップするというか。

ぐっと年が下がったりなんだりだが、わかりやすい例としてはこんな感じ。(言うまでもなく、主観100パーセントです。)

ミツバチのささやき』のアナ>『ロッタちゃんと赤い自転車』のロッタ

ロッタちゃんと赤い自転車』のロッタ>『ミツバチのささやき』のアナ

(評価:★2)

投票

このコメントを気に入った人達 (1 人)ペンクロフ[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。