[コメント] 紀子の食卓(2005/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
見た当日に書いたものを読み返し、いっそそのまま一部を貼り付けてしまおう。と思いました。思います。
…………
映画を見ていて死にたくなることは幸いあまりないのですが、今日のはかなりきつかったです。クミコが「私を殺して」と男に泣きすがるとき、「私も私も」と思ってしまいました。なんで私こんなサイテーのサークルの中でそれでも生きてなきゃならないのサイテーのままでそのくせフツーを装ってシアワセを演じて。と思いました。ぼろぼろ泣きながら思いました。怒りつつ絶望しつつ思いました。
つまり「自殺サークル」を見たときはよくわからなかった「いっせいのせ」が、なんだかわかってしまった気がしたのです。今さらのように情けないことにどうしようもなく。無理して生きててどうすんのよ?と。生きてても死んでてもたいしてかわりないじゃん?と。てゆーか事実として何も変わらないのが現実じゃないか。ニコニコと死ねるなら、私はウサギでもいっこうにかまわないよ。そもそもライオンとして生きなきゃいけないくらいなら、私はいっそ死んでしまいたいのよ、と。
映画の開始は「桂子ですけど」みたいでドキドキして乙女さかげんというか少女のユウウツというやつだけでもう胸がいっぱいになって切なさに泣きながら見て。その後の展開も「ROOM」を想起させられたりして。そしてもちろんの「自転車吐息」そして「自殺サークル」。つまり園子温がぎゅうぎゅうつまっててつまってました。
でももうジャクソンポロックは立っていませんでした。小さな希望の象徴でもあった薔薇の花は、もっとリアルで痛くてでも心地よい(なぜなら楽になれるから)恐ろしいものになっていました。透明ランナーはいっぱいいたかもしれないけれど、それもまた楽しい時間ではありませんでした。本当の思い出ではなく、思い出の捏造のために彼らは存在していました。
とは言えもしかしたらノリコはあの後にちゃんと俺の旗を持ってかけだすことができるのかもしれない。と、新宿駅に向かいつついっしょうけんめい思ってみました。思うことにしました。思っているところです。うん、きっとそう。せめてそうであってほしいと。みかんちゃんだって健在じゃないかと。
どんなに醜くて汚い相手だとしても、私は私と関係を結ぼうじゃないかと。
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