[コメント] ウディ・アレンの誰でも知りたがっているくせにちょっと聞きにくいSEXのすべてについて教えましょう(1972/米)
未見の作品もあるのであくまで「読んだり聞いたりしてきたイメージ」による推測も込みだが、これは、シェークスピアとパゾリーニとフェリーニとホームドラマとバラエティショーとB級SFホラーとミクロの決死圏へ向けた、限りなくお調子者を装ったラヴレターなのではないかと思う。
ともあれ、ネタ自体はたいしておもしろくなかったりもするが、1つ1つを全く別のテイストで料理し、それぞれをきちんと独立させたパロディにしているところが巧い。
特に第3話「エクスタシーは所を選ばず」の「どこかで見たことがあるようなイタリア人」を模したウッディの演技は素晴らしかった。「こんなもんのために、彼は一生懸命イタリア語の練習をしたんだろーか…。」と考えると感動さえ覚える。ファブリッツオといういかにもなネーミングもよい。
ネーミングといえば、第6話「SF/ボイン・パニック」に登場するせむし男の名がちゃんとイゴールというのは言わずもがなだが、第2話「ソドミーって何?」で羊を連れてくるアルメニア人の名が「ミロス」というのも気になる。単にアルメニア人に多い名というだけなのかもしれないが、ミロス島って「ミロのヴィーナス」が発見されたところ…。え? つまりそれは、彼は「美と愛の発見者ゆえにそのような名に!」ということなのか?なんて。<深読みしすぎ。
また、第5話の「これが変態だ」で何度も画面がブレるのだが、このあたりの演出にも(自分でもこの感動がどこからやって来るのかよくワカラナイのだが)じーんとしてくる。導入のCMネタこみで、そういった番組のいかがわしさを増すことに成功しているというか。
できれば第4話の「おいおい、そんなオチでまとめちゃうのかよっ。」なほのぼのホームドラマ(と私はみなした)「女装の喜び」にも、シットコムならではの拍手や笑い声を入れてもらいたかったな。なんてことも思う。
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