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[コメント] パパはわるものチャンピオン(2018/日)

プロレスはちょっとよくわかんないんですけど、
tredair

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







原作の絵本が好きなのと、もはや職人ともいえる泣き芸を大河ドラマで見て以来すっかり心をつかまれてしまった寺田心さんの大ファンなのとでいそいそと観に行った。

絵本が原作ということもあってか、いかにも高橋優の主題歌がふさわしい内容ではあったけど、さすが映画化というか、原作者がここぞとばかりに話を引き伸ばしただけあって、絵本ではわからなかった設定や背景などがよくわかっていちいちワクワクしたし、新たに投入されたキャラ(みちこもママも最高!)もすこぶる魅力的で想定していた以上に満足できた。

ほんとつまらないことだけど、子どもたちのランドセルにちゃんと非常用ブザーがついていたり、心さん演じる祥太君の服がそれなりに安っぽい上に着まわししてたり、みたいなのもリアリティがあってよかった。

仲良しのお友達もみんな馬鹿で優しくてかわいくて、仲良くないお友達もわかりやすく限度をわきまえた意地悪っぷりで、日々おつきあいしている我が子のお友達あるあるがちょこちょこあって、そこもなかなか興味深かった。机の上のらくがきが消されてないことに、担任の指導力を疑いはしたけれども。

ともあれ、プロレスを見たことがない私にもショーアップされた試合シーンは十分おもしろかった…というか、「プロレスは勝ち負けじゃなくて生き様なの!」という言葉を裏付けられるだけのものがちゃんと画面から伝わってきたし、やられてもやられても立ち上がるさまにこそひとは感動する、ということも、ドラえもん第6巻「さようなら、ドラえもん」のジャイアンに挑み続けるのび太を見たときと同じ強度で心に響いた。

つまり、試合シーンではまんまと泣いたり怒ったりで素人なりに…ゆえに?たわいもなく心動かされ重要な場面だと思ったので、私はこの映画を、父と子を主軸とした家族の映画であると同時にプロレス映画でもある、と認識したのだと思う。絵本はあくまで父と子の話なので、そこを散漫ととるか拡がりととるかはひとによるのだろうけれど、私は後者だと思った。素敵なプラスアルファだと思った。

また、子どもには過去の栄光などどうでもよくて、現在が、未来こそが重要なんだな、ということもよくわかった。我が家の10歳児がWANIMAとか聴いてて私がいまだに清志郎とか聴いてると何このジジイみたいな顔してさりげなくディスってきたりするのがちょうムカついてたのだけど、ま、そうだよな、と思え…思うように今後は努力しようと思った。ドラゴンジョージが大村孝志をリスペクトしていたように、きっとWANIMAのメンバーだってRCは好きだと思うけどね!

(評価:★4)

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