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[コメント] 男はつらいよ フーテンの寅(1970/日)

前半、変にコミカルな音楽が過剰に挿入されているのが気になった。後半は一転してやたらと暗く、飛び道具までが出てきたときは「なんだかなー。」と思った。また、本職?のシーンが少ないので、売の口上を堪能できないのも寂しい。
tredair

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







マドンナと実際に会ったことのある者が寅以外ではおいちゃんとおばちゃんだけ。というのも寂しいなぁ。今後はこういう展開も増えるのだろうか?柴又のシーンが少ないというのもどうもつらい。

病気で寝込んだり(しかも2回も!)ヒロシに打ちのめされたりと、強気な割には体力のない寅。つらい、つらすぎる…。せめて身体だけでも丈夫でいてくれよ、とサクラ気分は満喫できたが、そんなひ弱な寅は求めている寅ではないなぁ。

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私的名台詞メモ

ラーメン屋での場面:

染め奴がカウンターでラーメンを食べているとノブオがやって来る。

染め奴「あ、ノブオさん!」

ノブオ「これはどういうことだ、手紙もよこすなってのはどういう意味だよ。」

染め奴「手紙のやりとりしたから言うて、どないなるの?」

ノブオ「君、あの噂は本当か、君が芸者やめて妾になる噂。」

ノブオ、染め奴の手をとる。そこに寅が登場。

寅「おい、あれ?(と言いつつメットをかぶったままのノブオの頭をはたく。)なんだ、てめえさっきの奴じゃねぇか、おい。なんでぇ昼間っから女の手なんか握りやがって。おい、どけよほら。」

ノブオ「うるせぇな!とにかく出よう、話があるんだ。」と、染め奴の身体に手を回す。それをふりほどいて

染め奴「話すことなんかなんもあらへん。なんで今ごろ出てきてガタガタ言わならんの。東京で毎日のんびり大学に通ってたらええやんか。」

ノブオ「大学なんかやめたよとっくに。」

染め奴「そうか、それはええ身分やな。家から授業料送ってもろて遊び回ってたんやろ。」

ノブオ、先ほど染め奴ともめた際に手にした丹前を怒って放り、それが寅に当たる。

寅「あいてっ。なんだこのやろー。おい、あか抜けないよお前は。いやだって言ってるだろ。帰れ帰れ帰れ。おい、染め奴よ、どうだい、気分直しによ、お宿に帰って寅さんとおいちょかぶでもやんねぇか。」

染め奴「やろうやろう。今日は負けへんでぇ。」

寅「何を言ってやんでぇ。おめぇたちには逆立ちしたってよ、はばかりながら亥鹿蝶はどんとこいだい、へへっ。はい行こ行こ。」

ふたり、店を出ていこうとする。ノブオ、怒って立ちふさがり寅の袖をとる。

寅「なんでぇ。嫌いだよオレはおめぇ。ああそうかい、おめぇ、横恋慕してるね。その顔に書いてあるよ。なんだよ、おめぇみたいな腐れインテリはなぁ、染め奴はキライだってよ。オレみてぇな男が好きなんだい。なぁ、そうだろ?なぁ?」

染め奴(あいまいにうなずきつつ「うん。」

寅「ほれ見ろ。はい行こ行こ。」

ノブオ、寅にコップの水をかける。

ノブオ「表へ出ろ!」

寅「そうか、僕が会話でいこうというのに君は暴力で解決しようと言うのか。上等じゃねぇかよ、血の雨ふらしてやるよ!」

染め奴の家で:

寅「へぇー、なるほどねぇ。聞くも涙、語るも涙ってのはこのことだよ。そうか、ヨイヨイのおとっつあんほったらかしにして自分だけがいい目をみるわけにはいかねぇ。だったらいっそ妾になって、おとっつあんの借金も払って、好きな焼酎も一生飲ましてやろうじゃねぇか。はぁ、見上げたもんだ屋根屋のふんどしたいしたもんだカエルのションベンってやつだい。ねぇ。文部省はしかしなんでこんな孝行娘を文部省選定にしねぇのかな、あったくなぁ。ねぇ、おとっつあん。」

(評価:★2)

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