「どうしてオレがこんな目にあうわけ？」と思っては、ガンダルフさんに言われたことを、いつか帰れるだろう美しい故郷を一生懸命に思い、そして、どうにか乗りきりました。

怖かったし不安だったしわけわかんなかったし何度も殺されそうになるし、それなのに何かっていうと「君が指輪の所持主なんだから自分で決めたまえ」みたいなこと言われるしでほとほと参ったけど、でも、がんばりました。

まだ自分が何をすべきなのか、全てを理解してはいません。しょせんホビット居住区から出てきたばかりの田舎者ですから、実際のところ、新しい人と出会うたびに圧倒されたり疑心暗鬼に陥ったりの繰り返しです。それが君の運命だ、と言われればそんな感じもしますし、でも、タコの化け物みたいなやつにぐるぐる巻にされたり崩れそうな橋の上でちびりそうになったりするのがオレの運命ならば（あ、オレ高所恐怖症なんです。背が低いもので、たぶん普通の人より怖いんすよ）、そんな運命は受け入れたくねぇ、という気にもなります。

でも、いーんです。もう、腹、決めました。だって、オレ、この指輪がどれほどオソロシイものなのか、ヤバイものなのか、たぶん、誰よりもわかっちゃいましたから。身をもって、わかっちゃいましたから。だって、あの大好きなビルボおじさんや、義侠心に熱いボロミア兄貴や、激マブのうえに高貴な方らしいガラドリエル様までが、いきなり豹変しちゃうんすよ。あの怖さは、マジで、実際に見なきゃわからないッス。

ガラドリエルさまが言ってました。「この手のものは、よい人が持てばそれで済むというものでもないんだ。」って。まだうまく飲み込めてないけど、なんとなくわかるような気もします。危険なものっていうのは、誰がもっても危険なんです。すごいパワーを持つモノを前にしたら、もう、そこには善も悪もないんですよ。きっと。

つーわけで、まだまだオレの旅は続きそうだし、はっきり言ってめちゃくちゃ不安ですけど、同郷のサムもいるんだし、もうちょっとがんばってみようと思います。

少なくともあと2年ぐらい先まではかかりそうですけど、まあ、どうぞひとつ応援してやってください。オレなりにがんばってみようと思ってますから。それに、見てくれました？溺れそうなサムを助けたときのオレの姿！なんだ、オレなりにたくましくなってきてんじゃん、なんて。へへっ。

それじゃ、来年また！　あ、それと大事なこと忘れてた。最後の拍手、一人しかしてなかったのはちょっと寂しかったな。今度はもっと派手に頼みますよ。