[コメント] 茄子 アンダルシアの夏(2003/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
ただ、これもまた原作ゆえらしいので仕方ないのだが、茄子料理に関するいい加減な設定だけはどうも気にかかる。
映画を観た後にあれこれスペイン料理について調べていたら、あの茄子料理はアンダルシアのものではなくラマンチャのものであると知り、少し哀しくなった。作者の弁によると「アンダルシアの、の方がかっこよさげだったから」とのことだ。
ドンキホーテという二重の含みだって出てくるのだし、ラマンチャの郷土料理として素直にそのまま取り入れるのではだめだったのかなぁ。
レースのコースから逸れてしまうということなのかなぁ、などととも考えて納得しようとは思ったが、料理好き&郷土色が濃いもの好きとしてはちょっとつらい。
ペペは故郷から逃げだした男だが、それでもやはり心の片隅にはいつも故郷への思いも宿している、という象徴として<郷土料理としての茄子料理>が登場するのならば尚更だ。
だって、たとえば東京を舞台にした物語で主人公が「故郷の味さ」と味噌煮込みうどん食べてたりしたらやっぱりヤじゃない? 名古屋を舞台にして「故郷の味さ」とアサリの佃煮とかでもヤだし。スペインの人はこの映画をどう見るのかなぁと思うと、ちょっと複雑な気分にもなる。
細かすぎる!と言えば細かすぎるし、個人的には『コンタクト』のデタラメな日本観なども腹を抱えて笑うばかりなのだけど。でも、この「茄子料理」と「郷土」の関係については、物語のうえでもけっこう大切なキーワードになっていると思うのだよなぁ。
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