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[コメント] 座頭市血煙り街道(1967/日)

お話は完全に予定調和なのですが、予定調和なりの興奮や悦びが此処には確かにあって。
たかやまひろふみ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







刀を逆手に独楽のようにくるりくるりと回転し、歯向かう敵を斬り伏せる。座頭市の殺陣には通常のチャンバラとは異なる動き、リズムがあり、それが何とも言えぬ快感のツボを刺激します。前座の雑魚とのバトルを終えた後はお待ちかね、市と同等の技量を持つライバル(=近衛十四郎)とのタイマン勝負が用意されています。

この場面、先ほどまでピーカンだったハズが唐突に雪が降り始めます。季節感も何も出鱈目。単にハラハラと雪が舞う中で白刃が閃く、そういう画が撮りたかっただけやろう!と思いますが、観客であるコチラも望むところなのでノー問題です。またここで繰り広げられる殺陣が掛け値なしに凄まじい。本作は人情話が中心で活劇シーンは少なめですが、その鬱憤を晴らすどころかお釣りが来る程の攻防です。

それだけに対決が手打ちで終わるのは些か拍子抜け。ここはやはりズブリと一刺しにして頂きたかった。技量を認め、少なからず好感を抱いていた相手を己が手で殺める。それでこそラスト、自ら孤独の道を選ぶ市の哀感もいや増すというものではないでしょうか。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ゑぎ[*]

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