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[コメント] アドルフの画集(2002/カナダ=独=ハンガリー=英)

はなしのはなし。 にひくなひにく。
たかやまひろふみ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







何ぞヒトラーに関する新解釈でもあるのかと思えば、「彼は画家としては三流以下で女性に劣等感を持つチンケな小男でした」という在り来たりの人物像。「ですが煽動家として才能を徐々に開花させるのでした」てなお話だとしても、肝心のクライマックスのアジ演説がたいへんおざなりで高揚感の欠片もないのは如何なものかと。ここは現代の観客にも「そうだ、ユダ公を排斥しる!」と思わせるぐらい力を入れるべき所ではないかと。しかし劇中の聴衆はそんなショッパい演説を聞いて、大興奮し席を立ち「ユダ公を殺せ!」とコールしてしまうのですから、スクリーンを漫然と眺める自分とのギャップは広がるばかり。

ラストは「演説に乗せられた聴衆が、ヒトラーに目をかけていたユダヤ人画商(ジョン・キューザック)を殺してしまうのでした」というもので、ぶっちゃけこんな計算ずくの皮肉オチなら『Gunslinger Girl』の方がナンボかマシですよ!と思いました。

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)ジェリー[*] ねこすけ[*]

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